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FUJIFILM「X-H1」のスペックレビュー − 動画に強いフジノンユーザー向けミラーレス一眼

2018年3月20日

どんなカメラなの?

「X-H1」はFUJIFILMのミラーレス一眼カメラ「Xシリーズ」のフラグシップモデルです。従来の「X-T2」や「X-Pro2」の製品ラインとは異なるハイパフォーマンスモデルに位置付けられています。

ざっくりいうとX-T2にボディ内手ぶれ補正を搭載させて、動画機能を強化ようなカメラです。ただ、動画機能を重視したモデルというだけでなく、スチル用途でもAFが強化されているあたりもセールスポイントです。

  • 「Xシリーズ」で初めてボディ内手ブレ補正機能を搭載し、最大で5.5段の効果
  • シャッター駆動時の微振動を抑制する新たな衝撃吸収機構や電子先幕シャッターなどを採用
  • マグネシウム合金の厚みを現行機に比べ25%アップ、小型・軽量ながら、衝撃などに対する高耐性を実現
  • 外装には、粒度を高めた塗料を採用し、表面硬度8H相当を達成。擦り傷への耐性が強い
  • ファインダー倍率0.75倍、369万ドットの高精細のEVFな搭載、表示タイムラグ0.005秒、表示フレームレート100フレーム/秒
  • 「GFX 50S」と同じ1.28インチの天面サブLCD
  • 「Xシリーズ」で初めて「フリッカー低減撮影機能」を搭載
  • 新たなAFアルゴリズムにより現行機に対して像面位相差AF性能が向上
  • 低照度限界を0.5EVから-1EVへ約1.5段分拡張し、暗所でのAF速度・精度が向上
  • 像面位相差AFが動作する最小絞りをF8からF11へ拡大
  • 200Mbpsの高ビットレート記録にも対応したほか、1080/120Pハイスピード動画、F-Log SDカード記録、DCI 4K(4096×2160)、高音質内蔵マイク(24bit/48KHz)など動画まわりが大幅強化

基本情報

価格はオープンプライスで、店頭では25万円前後になる見込み。3月1日から販売を開始されます。

  X-H1
メーカー FUJIFILM
レンズマウント Xマウント
発売日 2018年3月1日
参考価格
(ボディのみ)
25万円前後

デザイン・操作性

ボディー内手ブレ補正を搭載したことと、今後発売する予定の「XF200mmF2」などの大口径レンズに対応するためボディーの堅牢性を従来の2倍に強化したことにより、重さは673g(メディア、バッテリー込み)となっています。X-T2(507g)と比べてもかなり大型化しています。ソニーのα7R IIIが657gですから、フルサイズのミラーレス一眼よりも重いことになります。

X-H1

望遠ズームレンズや大口径レンズと組み合わせた時のバランスはX-T2よりも良好でしょうが、手ぶれ補正のある大型でないレンズとの組み合わせでは、ボディサイズの重量感が大きい気がするかもしれません。

ボディは、マグネシウム合金の厚みを現行機に比べ25%アップし、衝撃などに対する高耐性のほか、粒度を高めた塗料を採用したことにより、擦り傷への耐性が強くなっているとのこと。防水防塵(じん)耐低温仕様は、マイナス10℃までの温度環境での撮影を可能とのことです。

操作系の改善か所としては、カメラ背面にAF-onボタンが追加されたことと、軍艦部シャッターボタン手前に「GFX 50S」と同様にシャッター速度などを確認できるサブモニターを備えること、があります。

バッテリーは、X-T2と同じ(NP-W126S)で、撮影可能枚数は約310枚です。バッテリーを追加で2個搭載できるバッテリーグリップ(VPB-XH1)を同時に発売します。税別4万9,500円で本体同様の防塵防滴、耐寒性能を有し、撮影間隔、シャッタータイムラグ、ブラックアウト時間が短縮するブーストモードも搭載します。

  X-H1
防塵防滴
バッテリー NP-W126S
撮影枚数(CIPA基準) 310枚
USB充電
対応記録メディア SD×2
(UHS-II/UHS-I)
重さ
(バッテリー、記録メディア含む)
673g
重さ
(本体のみ)
623g
サイズ
(幅x高さx奥行き)
140 × 97 × 86 mm

画質は従来機種と同じだけどもボディ内手ぶれ補正を搭載

イメージセンサーはAPS-Cサイズの有効2,430万画素X-Trans CMOS III、画像処理エンジンはX-Processor Pro、常用感度はISO200~12800。

画質で目新しいものはなく、X-Pro2・X-T2・X-T20・X-E3と同じ性能になります。高感度でISO200-12800でノイズは上手く処理されて実用レベルで、それ以上ではディテールが失われるが、ノイズ低減を使用して撮影するとISO感度を高くしても色再現は良好だと評されています。

X-H1の最大の特徴はボディ内手振れ補正でしょう。最大で5.5段分の補正効果を実現しているといいます。とはいえ、フジノンレンズの最重要レンズには、光学手振れ補正が搭載されていて、最大5段の効果があります。ボディが大型化し、価格設定も上がることから、みんなに恩恵があるわけではなく賛否は分かれるところでしょう。

  X-H1
有効画素数 2,430万画素
センサータイプ X-Trans CMOS III
センサーサイズ APS-C
(23.6 × 15.6 mm)
ISO感度
(拡張感度)
200~12800
(100,25600,51200)
ローパスフィルターレス
ボディ手ぶれ補正
(最大補正効果)

(5軸 5.5段)
画像処理プロセッサ X-Processor Pro
RAW出力 14bit非圧縮
アスペクト比 – 3:2
– 16:9
– 1:1
その他  

連写性能は従来機と同じだが、低照度のAFと動体補足性能がアップ

連写速度は電子シャッター使用で14コマ/秒、メカニカルシャッター使用で8コマ/秒。別売のバッテリーグリップを装着することでメカニカルシャッターでも11コマ/秒まで連写速度が上がります。これはX-T2とほぼ同じスペックです。

改善点としては、像面位相差AFの低照度性能が0.5EVから-1EVへ約1.5段分拡張されたことや、AF可能な最小F値がF8からF11に拡大したことがあります。これにより、XF100-400mmに×2.0テレコンバーターを装着してF8より暗くなる場合でも位相差AFが可能となります。

また、シリーズ初のフリッカー低減機能も搭載しました。これは、蛍光灯や水銀灯といった光源下の連写でも安定した露出となるもの、インドアスポーツなどで威力を発揮しそうです。フリッカー低減モード時の連写性能は、電子先幕時に7コマ/秒、メカシャッター時に5.5コマ/秒になります。

その他、ズーム操作中のAF-C性能を改善したほか、像面位相差AFが苦手としていた野鳥などの微細なテクスチャも捕らえられるよう捕捉性能を向上させたとのこと。

  X-H1
AF方式 インテリジェントハイブリッドAF
(像面位相差AF)
(コントラストAF)
AF測距点
(像面位相差)
49点
(175点)
AF測距点
(コントラスト)
42点
(150点)
測距輝度範囲 EV -1EV~
シャッタースピード
(メカシャッター)
1/8000~30秒
電子シャッター
(サイレントモード)
1/32000~30秒
電子先幕シャッター
(アンチショックモード)
1/8000~30秒
フラッシュ同調速度 1/250秒以下
最大連写とバッファ
※メカシャッター時
【通常】
・8.0コマ/秒(AF追従)
JPEG:80枚、
可逆圧縮RAW:31枚、
非圧縮RAW:26枚
【VPB-XT2装着時】
・11コマ/秒(AF追従)
JPEG:70枚
可逆圧縮RAW:28枚
非圧縮RAW:24枚
最大連写とバッファ
※電子シャッター時)
・14コマ/秒(AF追従)
JPEG:40枚
可逆圧縮RAW:27枚
非圧縮RAW:23枚
その他 改善されたAFアルゴリズム
フリッカー低減

オートフォーカス・連写

新しいフィルムシュミレーション「ETERNA」(エテルナ)に対応し、フィルムシミュレーションモードが16種類になりました。ETERNA広いダイナミックレンジを記録するために静止画・動画の両方で使えそうです。

  X-H1
測光方式 TTL256分割測光
露出補正 5.0EV~+5.0EV
フィルタ 8種類
・トイカメラ
・ミニチュア
・ポップカラー
・ハイキー
・ローキー
・ダイナミックトーン
・ソフトフォーカス
・パートカラー
HDR撮影
多重露光
ボディ内RAW現像
インターバル撮影
タイプラプス動画
ブラケット ・AE
・フィルムシュミレーション
・DR
・ISO
・WB
その他 フィルムシミュレーション
16種類(ETERNAを含む)

ファインダー・背面モニター

ファインダー

EVFは0.5型・約369万ドットで、X-T2の約236万ドットから解像度が向上しています。倍率は0.75倍。フレームレートは100fps。表示タイムラグは0.005秒。また、GFX 50S用のワイドアイカップ「EC-XH W」の装着も可能とのこと。

  X-H1
ファインダー EVF
ドット数 369万ドット 有機EL
ファインダー視野率
(上下/左右)
100% / 100%
ファインダー倍率
(35mm換算)
0.75倍
アイポイント 23mm
最高フレームレート 100fps
その他 ブラックアウト短縮

背面モニター

モニターは約104万ドットの3型タッチパネル式。3軸のチルトが可能です。

  X-H1
画面サイズ 3.0 インチ
ドット数 104万ドット
可動式モニタ 3方向チルト
タッチ操作

動画

動画は通常の4K UHD(29.97pなど)で最大200Mbpsで顔検出可能な4K動画撮影、12Stopのダイナミックレンジ、120fpsのフルHD撮影、Logガンマ「F-Log」撮影のSDカードでの保存、映画向けのアスペクトである「DCI 4K」撮影などに対応など、改善が随所にあります。

しかし、ライバル機と比べると、連続撮影時間は15分と制限されており、追加グリップを装着することで29分59秒まで延長させることができます。また、X-T2と同様にH1の4K動画は1.17倍のクロップファクターです。ヘッドホンジャックもカメラ側にありません。

また、動画撮影時にゼブラ表示などの機能がないことが、欠点として指摘されます。

  X-H1
記録方式 MOV/リニアPCM
圧縮方式 H.264
4K UHD 30p 200Mbps 15分まで
DCI 24p 200Mbps 15分まで
Full HD 60p 100Mbps 20分まで
HD 60p 50Mbps 30分まで
ハイスピード動画 FHD 120p 200Mbps 6分まで
クロップ倍率 – 4K 1.17x
– FHD 1.0x
HDR
外部出力 – クリーン出力対応
– F-log対応
– 4:2:2 8bit
その他  

インターフェース

内蔵ストロボは非搭載で、クリップオンストロボ「EF-X8」が付属する。

  X-H1
デジタル入出力 USB3.0 microB
外部マイク入力端子 φ3.5mm
HDMI Type D
Wi-Fi
Buletuooth
(Ver 4.0)
電子水準器 2軸
ホットシュー
内蔵フラッシュ
その他 高音質内蔵マイク
(24bit/48KHz)

これは買うべき?

このカメラは、ボディ内手ぶれ補正などXシリーズ初の機能を多く搭載した、全部盛りのミラーレス一眼です。しかし、かなり高い価格を付けていて、本体も重くなっていることを考えると、フォトグラファーに対してはX-T2以上のメリットが感じづらいかもしれません。

ビデオグラファー向けの機能はかなり強化されており、DCI 4KやF-Log、1080p 120fpsは素晴らしいでしょう。しかし、録画時間が15分に制限されることや、ヘッドホンジャックもカメラ側にないことから、プロユースのニーズに答えるには、バッテリーグリップは必須でしょう。しかし、 バッテリーグリップを含めると更に価格は上乗せされ、フルサイズ一眼レフのCanon EOS 5D Mark IVより重くなります。

ミラーレス一眼のライバル機であるGH5が、4K 60p、内部4:2:2 10bit、大容量バッテリー、記録時間の制限がないことに、追加グリップなしで実現でき、しかも安価であることから、わざわざ乗り換える動機は見つけづらいかもしれません。

したがって、このカメラは、従来のフジノンレンズを多く保有するユーザー向けであり、

・超望遠ズーム+テレコンを快適に使いたい
・Xマウントで動画撮影を楽しみたい

といったニーズに応えるカメラといえそうです。

良いところ

  • RAW・JPEG共に非常に優れた画質
  • 大口径の大型レンズを付けてもバランスがよい
  • 室内の撮影に強い(フリッカー低減機能のため)
  • ボディ内手ぶれ補正のためどのレンズでも手持ち撮影しやすい

 

微妙なところ

  • 価格が高い
  • フジノンレンズの多くはレンズ側に手ぶれ補正を搭載している
  • 重い(フルサイズミラーレス一眼よりも)
  • 追加グリップがないと4K動画の撮影時間が15分まで
  • 像面位相差AFエリアが中央に寄っている
  • 動画撮影時にゼブラ表示などの機能がない

作例・サンプル画像

  • 公式
  • フォトヨドバシ
  • KASYAPA
  • BigPhotoStyle

画像引用:FUJIFILM