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FUJIFILM「X-H1」と「X-T2」を比較してわかった10の違い

2018年3月20日

どんなカメラなの?

「X-H1」はFUJIFILMのミラーレス一眼カメラ「Xシリーズ」のフラグシップモデルです。従来の「X-T2」や「X-Pro2」の製品ラインとは異なるハイパフォーマンスモデルに位置付けられています。

ここでは、X-T2と比較して、主な違い10個を紹介していきます。 X-T2から変わっていないところは次の点です

  • 有効2,430万画素X-Trans CMOS III、画像処理エンジンはX-Processor Pro
  • ISO 200〜12800 ISO(拡張 100,250000,51200)
  • 3方向チルトモニター
  • AFジョイスティック
  • 連写速度(バッテリーグリップで8fps / 11fps /電子シャッターで14fps)
  • シャッタースピード(メカニカルシャッター 1/8000、電子シャッター 1/32000)
  • 1/250秒のフラッシュ同期速度
  • UHS-II互換のデュアルSDカードスロット
  • オプションの縦型電池グリップ(VPB-XH1およびVPB-XT2)

価格

X-H1の価格はオープンプライスで、店頭では25万円前後になる見込みです。一方のX-T2は実勢価格が15万円前後なので、10万円ぐらいの差があります。

  X-H1 X-T2
メーカー FUJIFILM FUJIFILM
レンズマウント Xマウント Xマウント
発売日 2018年3月1日 2016年9月8日
参考価格
(ボディのみ)
25万円前後 15万円前後

「Xシリーズ」で初めてボディ内手ブレ補正(最大で5.5段の効果)を搭載

 

X-H1の最大の特徴はボディ内手振れ補正でしょう。最大で5.5段分の補正効果を実現しているといいます。

フジノンレンズの最重要レンズには、光学手振れ補正が搭載されていて、最大5段の効果があり、これらと協調動作も可能です。

  X-H1 X-T2
有効画素数 2,430万画素 2,430万画素
センサータイプ X-Trans CMOS III X-Trans CMOS III
センサーサイズ APS-C
(23.6 × 15.6 mm)
APS-C
(23.6 × 15.6 mm)
ISO感度
(拡張感度)
200~12800
(100,25600,51200)
200~12800
(100,25600,51200)
ローパスフィルターレス
ボディ手ぶれ補正
(最大補正効果)

(5軸 5.5段)
画像処理プロセッサ X-Processor Pro X-Processor Pro
RAW出力 14bit非圧縮 14bit非圧縮
アスペクト比 – 3:2
– 16:9
– 1:1
– 3:2
– 16:9
– 1:1
その他    

強化された動画性能

X-H1の動画は通常の4K UHD(29.97pなど)で最大200Mbpsで顔検出可能な4K動画撮影、12Stopのダイナミックレンジ、120fpsのフルHD撮影、Logガンマ「F-Log」撮影のSDカードでの保存、映画向けのアスペクトである「DCI 4K」撮影などに対応しています。ヘッドホンジャックもカメラ側にありません。4K動画の記録時間は通常で14分まで、追加グリップを装着することで29分59秒まで延長させることができます。

X-T2は4K動画の撮影ができますが、ビットレートは100Mbpsで記録も10分まで。フルHDでは、フレームレートは最大で60pまでです。どちらのカメラも4K動画は1.17倍のクロップファクターです。

  X-H1 X-T2
記録方式 MOV/リニアPCM MPEG-4 AVC/リニアPCM
圧縮方式 H.264 H.264
4K UHD 30p 200Mbps 15分まで
DCI 24p 200Mbps 15分まで
UHD 30p 100Mbps 10分まで
Full HD 60p 100Mbps 20分まで 30p 100Mbps 10分まで
HD 60p 50Mbps 30分まで 60p 50Mbps 30分まで
ハイスピード動画 FHD 120p 200Mbps 6分まで
クロップ倍率 – 4K 1.17x
– FHD 1.0x
– 4K 1.17x
– FHD 1.0x
HDR
外部出力 – クリーン出力対応
– F-log対応
– 4:2:2 8bit
– クリーン出力対応
– F-log対応
– 4:2:2 8bit
その他    

F-logの内部記録化とフィルムシミュレーション「ETERNA」

X-T2ではF-LogはHDMI出力のみでしたが、X-H1ではF-Logの内部記録が可能になっています。

新しいフィルムシュミレーション「ETERNA」(エテルナ)に対応し、広いダイナミックレンジを記録するために静止画・動画の両方で使えそうです。

サンプル動画

ボディの大型化と堅牢性の強化

camerasize.comから製品のサイズを比較しました。

大口径レンズへ対応するためボディーの堅牢性を従来の2倍に強化したことにより、重さは673g(メディア、バッテリー込み)となっています。X-T2(507g)と比べてもかなり大型化しています。

X-H1: 139.8×97.3×85.5mm: 673g(SDカードとバッテリー付き)
X-T2: 132.5×91.8×49.2mm: 507g(SDカードとバッテリー付き)

APS-Cセンサーのミラーレス一眼としてはかなり大ぶりな造りで、ソニーのフルサイズのミラーレス一眼であるα7R IIIが657gですから、それよりも重いことになります。

 

操作系の変更か所としては、カメラ背面にAF-onボタンが追加されたことがあります。

 

どちらもデュアルSDカードスロットですが、X-H1のみが、スロット1の記録容量が一杯になると、スロット2に継続して記録するリレー録画が可能となっています。

バッテリーは、X-T2と同じ(NP-W126S)で、撮影可能枚数は約310枚です。どちらもに使用できるバッテリグリップ(VPB-XH1とVPB-XT2)がありますが、互換性はありません。本体同様の防塵防滴、耐寒性能を有し、撮影間隔、シャッタータイムラグ、ブラックアウト時間が短縮するブーストモードも搭載します。

  X-H1 X-T2
防塵防滴
バッテリー NP-W126S NP-W126S
撮影枚数(CIPA基準) 310枚 340枚
USB充電
対応記録メディア SD×2
(UHS-II/UHS-I)
SD×2
(UHS-II/UHS-I)
重さ
(バッテリー、記録メディア含む)
673g 507g
重さ
(本体のみ)
623g 457g
サイズ
(幅x高さx奥行き)
140 × 97 × 86 mm 133 × 92 × 49 mm

低照度のAFと動体補足性能がアップ

連写速度は電子シャッター使用で14コマ/秒、メカニカルシャッター使用で8コマ/秒。別売のバッテリーグリップを装着することでメカニカルシャッターでも11コマ/秒まで連写速度が上がります。これはX-T2とほぼ同じスペックです。

改善点としては、像面位相差AFの低照度性能が0.5EVから-1EVへ約1.5段分拡張されたことや、AF可能な最小F値がF8からF11に拡大したことがあります。これにより、XF100-400mmに×2.0テレコンバーターを装着してF8より暗くなる場合でも位相差AFが可能となります。

その他、ズーム操作中のAF-C性能を改善したほか、像面位相差AFが苦手としていた野鳥などの微細なテクスチャも捕らえられるよう捕捉性能を向上させたとのことです。

  X-H1 X-T2
AF方式 インテリジェントハイブリッドAF
(像面位相差AF)
(コントラストAF)
インテリジェントハイブリッドAF
(像面位相差AF)
(コントラストAF)
AF合焦速度
(CIPA規格)
   
AF測距点
(像面位相差)
91点
(最大325点)
91点
(最大325点)
AF測距点
(コントラスト)
42点
(150点)
42点
(150点)
測距輝度範囲 EV -1EV~ -0.5EV
シャッタースピード
(メカシャッター)
1/8000~30秒 1/8000~30秒
電子シャッター
(サイレントモード)
1/32000~30秒 1/32000~30秒
電子先幕シャッター
(アンチショックモード)
1/8000~30秒
フラッシュ同調速度 1/250秒以下 1/250秒以下
最大連写とバッファ
※メカシャッター時
【通常】
・8.0コマ/秒(AF追従)
JPEG:80枚、
可逆圧縮RAW:31枚、
非圧縮RAW:26枚
【VPB-XT2装着時】
・11コマ/秒(AF追従)
JPEG:70枚
可逆圧縮RAW:28枚
非圧縮RAW:24枚
【通常】
・8.0コマ/秒(AF追従)
JPEG:83枚、
可逆圧縮RAW:33枚、
非圧縮RAW:27枚
【VPB-XT2装着時】
・11コマ/秒(AF追従)
JPEG:73枚
可逆圧縮RAW:30枚
非圧縮RAW:26枚
最大連写とバッファ
※電子シャッター時)
・14コマ/秒(AF追従)
JPEG:40枚
可逆圧縮RAW:27枚
非圧縮RAW:23枚
・14コマ/秒(AF追従)
JPEG:42枚
可逆圧縮RAW:28枚
非圧縮RAW:25枚
連続撮影バッファ    
シャッター耐久回数   15万回
その他 改善されたAFアルゴリズム
フリッカー低減
 

EVFの高精細化とサブモニターの搭載

ファインダー

EVFは0.5型・約369万ドットで、X-T2の約236万ドットから解像度が向上しています。倍率は0.75倍。フレームレートは100fps。表示タイムラグは0.005秒。また、GFX 50S用のワイドアイカップ「EC-XH W」の装着も可能とのこと。

軍艦部シャッターボタン手前に「GFX 50S」と同様にシャッター速度などを確認できるサブモニターを備えること

  X-H1 X-T2
ファインダー EVF EVF
ドット数 369万ドット 有機EL 236万ドット 有機EL
ファインダー視野率
(上下/左右)
100% / 100% 100% / 100%
ファインダー倍率
(35mm換算)
0.75倍 0.77倍
アイポイント 23mm 23mm
最高フレームレート 100fps 60fps(通常)
100fps(ブースト)
その他 ブラックアウト短縮  

背面モニター

モニターは約104万ドットの3型タッチパネル式。3軸のチルトが可能です。X-H1ではタッチパネルに対応しています。

  X-H1 X-T2
画面サイズ 3.0 インチ 3.0 インチ
ドット数 104万ドット 104万ドット
可動式モニタ 3方向チルト 3方向チルト
タッチ操作

電子先幕シャッターに対応

X-H1は、電子先幕シャッターを搭載しています。電子先幕シャッターはシャッターショックを抑えることで、マクロや望遠での撮影に効力を発揮します。また、電子先幕シャッターで使用すると、EVFのブラックアウト時間が短くなる利点もあります。

X-T2には電子シャッターとメカニカルシャッターしかありません。

フリッカー低減機能も搭載

これも Xシリーズ初となりますが、「フリッカー低減機能」も搭載しました。これは、蛍光灯や水銀灯といった光源下の連写でも安定した露出となるもので、インドアスポーツなどで威力を発揮しそうです。フリッカー低減モード時の連写性能は、電子先幕時に7コマ/秒、メカシャッター時に5.5コマ/秒になります。

フリッカー低減

Bluetoothに対応

Wi-Fiのみを備えたX-T2と違い、X-H1にはBluetooth 4.0が搭載されています。これにより、スマートフォン(iOSまたはAndroid)への画像転送がより早く簡単に行うことができます。

低電力でカメラとスマートフォンを接続し、バッテリーをほとんど消費せずに写真の転送ができるので、SNSにアップするときなどに重宝すると思います。

  X-H1 X-T2
デジタル入出力 USB3.0 microB USB3.0 microB
外部マイク入力端子 φ3.5mm φ3.5mm
HDMI Type D Type D
Wi-Fi
Buletuooth
(Ver 4.0)
電子水準器 2軸 2軸
ホットシュー
内蔵フラッシュ
その他 高音質内蔵マイク
(24bit/48KHz)
 

結論

X-H1は、ボディ内手ぶれ補正などXシリーズ初の機能を多く搭載した、全部盛りのミラーレス一眼です。ビデオグラファー向けの機能はかなり強化されており、DCI 4KやF-Logの内部記録、1080p 120fpsなどが実現できています。

しかし、かなり高い価格を付けていて、本体も重くなっていることを考えると、フォトグラファーに対してはX-T2以上のメリットが感じづらいかもしれません。AFアルゴリズムが若干改善されていますが、画質面や連写速度はどちらも同じ性能です。

また、動画に関してはパナソニックやソニーなどの先行するライバルメーカーが、強力なラインナップを揃えています。したがって、このカメラは、従来のフジノンレンズを多く保有するユーザー向けであり、

・超望遠ズーム+テレコンを快適に使いたい
・Xマウントで動画撮影を楽しみたい

といったニーズに応えるカメラといえそうです。

画像引用:FUJIFILM