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SONY「α7R III」を徹底レビュー – 42MPと高速連写で風景から動体まで撮れちゃう

2018年2月17日

ソニーが、フルサイズのミラーレス一眼 α7R III を2017年11月25日に発売します。

現在、フルサイズのミラーレス一眼はα7シリーズ、α9シリーズとして発売されています。α7、α9シリーズはそれぞれ特性というか強みに応じて住み分けがされていますが、今回のα7R III はラインナップの中でも高解像度モデルに当たります。

【ソニー フルサイズ機のラインアップ】

α7 → 標準モデル(フルサイズの中では廉価)
α7R → 高解像度モデル(4000万画素以上)
α7S → 暗所に強いモデル(ISO102400以上)
α9 → 20コマ/秒の高速連写&AF追従モデル
    (α7シリーズよりも上位の最高スペック)

 

α7R IIIの特徴としては、高解像にをフルに活かすためのアップグレードといった感じです。画素数は前モデルのα7R II と同じく4240万画素。ですが、画像処理エンジンの刷新により、低輝度時のダイナミックレンジが改善しており、4240万画素の高解像にをフルに活かす画質が期待できます。

これまで高画素機といえば「連写が遅い」というのがカメラの常識でしたが、最高10コマ/秒の高速連写ができてしまう。AF精度も改善されており、α7R IIと比べて低輝度時のAFと動体追従性能が最大2倍コントラストAFの測距点数も25点から425点、と大幅アップ。さらにボディ内手ブレ補正効果も、旧モデルの4.5段分相当から5.5段分相当へ。解像度が高いモデルですとブレにも強くなくてはなりませんので、そのあたりを手ぶれ補正の強化でカバーされています。

  SONY α7 III
メーカー SONY
発売日 2017年11月25日
参考価格
(ボディのみ)
約37万円

 

操作性とバッテリーライフが向上

  α7R III
防塵防滴
(使用温度範囲)

(配慮した設計)
撮影枚数
(CIPA基準)
液晶モニタ 650枚
EVF 530枚
USB充電
対応記録メディア SD×2
(UHS-II/UHS-I)
重さ
(バッテリー、
記録メディア含む)
657g
サイズ
(幅x高さx奥行き)
約127×96×63mm

ボディは旧モデルと同様に「防塵防滴に配慮した設計」。外装素材にはマグネシウム合金を使用。てんこ盛りスペックにして657gという驚きの軽さ。旧モデルの625gからほんの少し増えただけで、外寸もほぼ同じです。ミラーレス一眼の中では大ぶりなものの、同じくプロユースの一眼レフとは比較にならない軽さで、nikon D5(1240g)やCANON EOS-1DX Mark II(1530g)の半分ほど。

バッテリーは従来から2.2倍の容量のZバッテリー(NP-FZ100)になり、撮影可能枚数は約530枚(EVF)、約650枚(背面モニター)になりました。さらにUSB充電にも対応しています。正直なところ旧モデルはバッテリーライフが貧弱だったので、これはうれしい改良ですね。普段使いでバッテリーで不安になることは少なくなりそう。

なお、縦位置グリップはα9と共通の「VG-C3EM」(税別3万5,000円)が使用可能です。

α7R III 正面

見た目は旧モデルとほとんど同じですが、大容量バッテリーへの変更に伴って、旧モデルと比べてグリップが深くなっており、明らかにグリップ力が増しています。おかげで、大口径の重いレンズを着けたときでも安定して撮影が楽しめそうです。実際にカメラを持ってみると、ちゃんと違いが感じられます。

操作系の大きな変更点として、より高速なフォーカスポイント移動を促すマルチセレクターの新設ファインダーを除きながら指でフォーカス点を移動できるタッチパッド機能の追加があります。これに伴い、ボタンの形状や位置も見直されており、「AF/MF/AEL切換レバーとボタン」であったものが、「AF-ONボタン」と「AELボタン」として独立して配置されています。

その他、細かい変更点としては、右手側側面のMOVIEボタン(確かにそんなに押しやすいと思えない位置にあった)が背面に移動し、好みの機能を割り当てられるC3ボタンが、背面の右手側から左手側に移動。コントロールホイールも若干大型化して使いやすそうになっています。

α7R III 背面

側面に配置されているボタンを下にスライドさせるとSDカードのスペースが出現します。対応メディアはSDメモリーカードで、UHS-II対応のデュアルスロットとなっています。

 

一つ不安を残すのが、ボディの剛健さ信頼性の点です。防滴性能ではα7R III はハードな撮影環境ではシーリングが甘いという指摘があって、内部に水が侵入してしまうケースがあるとのこと。

Nikon D850、Sony α7RIII、Canon 5D Mk IV、Olympus E-M1 IIの防滴性能を比較した結果

画像処理システムの刷新と手ぶれ補正の効果向上

イメージセンサーは、高感度でノイズの少ないといわれる裏面照射タイプ裏面照射型CMOSセンサーの「Exmor R」、有効約4,240万画素、最高感度はISO102400、と旧モデルと同じになります。改良ポイントとしては、画像処理システムのBIONZ Xが刷新され、センサー自体は同じでも高画素をより活かせるようポテンシャルのアップが図られています。

ボディ内手ぶれ補正も搭載し、効果も5.5段分にパワーアップ(旧モデルは4.5段分)ボディ内手ぶれ補正はレンズ式と違って回転ブレやシフトブレにも効くのでメリットが大きいです。他社製レンズをアダプター経由で使っても手ぶれ補正が機能するので、ライカなどオールドレンズの着用も楽しめます

なお、α7R IIIは、α9のようなセンサーからの高速読み出しには対応していませんが、ソニーによると、「ローリングシャッター歪みは、JPEG記録時および圧縮RAW連写時はα7R IIより歪みが改善、RAWの単写および非圧縮RAWの連写時はα7R IIと同等の歪み」とのことです。

DxOMarkのテストによるイメージセンサーのスコアは、ライバル機であるニコンのD850と同点の「100」。色の再現、ダイナミックレンジは僅差でD850が上回っているものの、低照度での撮影はα7R III が大幅にD850を上回っているとのこと。

 

    α7R III         α7R II          D850     
Overall Score
(総合点)
100 98 100
Color Depth
(色の再現)
26 26 26.4
Dynamic Range
(ダイナミックレンジ)
14.7 13.9 14.8
Low-Light ISO 
(許容できる最高のISO感度)
3523 3434 2660

 

 
  α7R III
有効画素数 4,240万画素
センサータイプ CMOS
(Exmor CMOS)
センサーサイズ 35mmフルサイズ
(35.6×23.8mm)
ISO感度
(拡張最高感度)
100〜32,000
(102,400)
手ぶれ補正
(5軸 5.5段)
画像処理プロセッサ BIONZ X
その他  

1億7000万画素の画像がつくれるピクセルシフト撮影

α7R IIIは中判カメラに迫る、4,240万画素のセンサーを搭載しています。最上位モデルのα9の2倍ほどの高画素ですが、さらに、ピクセルをずらしながら4連写するピクセルシフト撮影と写真を合成するImage Edgeによって、なんと1億7000万画素の写真をつくることができてしまいます。リコーのPENTAX K-1にある「リアル・レゾリューション・システム」と同様の機能のあれです。

ボディ内で合成できないた一手間かかりますが、魅力的な機能です。全画素にRGBすべての色情報を持たせることが可能となっているため、高精細でもモアレやノイズはなくなり、美しい色で写真が撮れる、ということです。

DPREVIEWに掲載されている撮影サンプルをみると、明らかにディテールの大幅な増加がわかります(左がピクセルシフト撮影)。

ピクセルシフト サンプルvia DPREVIEW

さらに、Photons to Photosによるテスト結果によると、ピクセルシフト撮影ではダイナミックレンジが最大で約1.5EVも広がることもわかっています。

 

ただし、欲を言えば、ライバル機と比べるとピクセルシフトモードのスピードが遅く、動体補完機能がないため、静物の撮影に限られる、ということがあります。

10コマ/秒の連写とAF追尾性能が2倍に

電子シャッター時もメカシャッター時も、連写は最高約10コマ/秒。旧モデルの5コマ/秒から2倍になりました。

連写性能向上に伴い、シャッターユニットも新たに開発されています。耐久性と静音性を両立させたとのことで、約50万回のレリーズ耐久性があります。

AF性能も大幅に向上。399点の像面位相差AFセンサーと、425点に増えたコントラストAF(旧モデルは25点)のハイブリッドオートフォーカスによりAFエリアが高密度に。さらに、動体予測アルゴリズムはα9のものをα7R IIIに最適化したとのことで、低照度時のAF速度、動体および瞳AFの追随性は、いずれも旧モデルの最大2倍になっているとのこと。低輝度は旧モデルの-2EVに対し、満月の月明かりぐらいという-3EVに対応。

AF範囲が広いので画面の端っこでもAFが効きます。ポートレートを撮るならα7R IIIの瞳AFが抜群の効果を発揮するため、圧倒的な強みがあります。一眼レフでは難しいといわれる「ガチピン」のポートレートが素人でも撮れちゃうぐらいですから。

メモリー増加やUHS-II対応により連写時のバッファも向上しており、連続撮影可能枚数は、非圧縮RAWで28枚、圧縮RAWで76枚、JPEGで76枚。シャッター速度は1/8,000秒〜30秒、バルブ。シンクロ速度は1/250秒。電子先幕シャッターおよびサイレント撮影(完全電子シャッター撮影)も可能となっています。

  α7R III
AF方式 ファストハイブリッドAF
(像面位相差AF、コントラストAF)
測距点 位相差 399点
コントラスト 425点
測距範囲 -3〜20EV
シャッタースピード 1/8000〜30秒(メカ)
電子先幕シャッター
フラッシュ同調速度 1/250秒以下
連続撮影コマ数 10コマ/秒(AF追従)
連続撮影バッファ RAWあり: 76枚
RAWなし: 76枚
シャッター耐久回数 約50万回
その他  

液晶モニタ・ファインダー

背面モニターは3型約144万ドット。チルト式(上方向に約107度、下方向に約41度)。α9に引き続き、(やっと)タッチAFにも対応!

しかも、タッチパネルのレスポンスが良くなり、タッチパネルのカスタマイズ項目も豊富になるなど、ソニーの既製機種から改良が加えられています。これまでのソニーのミラーレスのタッチパネルはたまに悪評も囁かれましたが、α7R III についてはレビューなどでも高評価の声が多いように思います。

液晶モニター

  α7R III
画面サイズ 3.0型
ドット数 144万ドット
可動式モニタ チルト方式
タッチ操作

 

ファインダー

EVFは約369万ドットの有機ELパネルを採用。EVFは露出と色温度の変化もリアルタイムで表示でき、あと、暗い場所となるとデジタルの力でファインダーを明るくできるので優位性があります。

ファインダー倍率は0.78倍。α7R IIに比べ、最大輝度が約2倍、撮影可能な状態になるまでの待ち時間が約30%の高速化しています。フレームレートは最高120fps、60fpsも選択できて、電池持ち重視(60fps)と、撮影性を重視(120fps)のパターンを切り替えられます。

  α7R III
ファインダー EVF
ドット数 368万ドット
ファインダー視野率
(上下/左右)
100 % / 100 %
ファインダー倍率
(35mm換算)
0.78倍
最高フレームレート 120fps

動画

動画関連では、全画素読み出しとSuper35クロップで4KとフルHDの録画が可能に。さらに、4K動画記録時の高感度画質が向上したほか、4K HDR映像(HLG)の記録に対応して広ダイナミックレンジで広色域の可能になりました。

その他、フルHDでの120fpsハイスピード撮影やスロー&クイックモーション、動画からの静止画切り出しにも対応。また、動画記録時のAFでは速度と精度の両方が向上しているとのこと。

  α7R III
記録方式 XAVC S:LPCM
AVCHD:AC-3
動画記録サイズ/
フレームレート
4K 30p
FHD 120p
S&Q FHD 1-120fps
その他 HLG対応

サンプル動画

 インターフェース

インタフェースはWi-Fi、NFC、Bluetoothを内蔵し、スマートフォン連携による各種機能を利用できます。プロユースの機能としては、スタジオ用フラッシュとの接続を想定したシンクロ端子を搭載。ワイヤレスフラッシュ撮影時は後幕シンクロ、スローシンクロが可能となりました。

USB端子はmicroUSBとUSB Type-Cを装備。端子が2つなので、片方にリモコンを繋ぎながら、もう一つの端子でUSB給電もできます。

  α7R III
映像/音声出力
・デジタル端子
Micro USB
USB Type-C
外部マイク入力端子 φ3.5mm
HDMI Type D
Wi-Fi
Buletuooth
GPS
電子水準器
内蔵フラッシュ
その他  

これは買うべき?

α7R IIIはソニーのフルサイズ・ミラーレス一眼で、40MPオーバーの高解像度のモデル。最上位のα9はブラックアウトレスの20コマ/秒の超速連写がありますが、24MPで価格は45万円以上。それぞれ用途は異なりますが、比べるとα7R IIIはα9より10万円ぐらい安い。

スポーツなど動きものを撮りたいならα9の20fpsの連写がやっぱり最強でしょうが、止まっているものをメインで撮るならα7R IIIの方が適しているのではないでしょうか。スピードを追求したα9から多くを受け継いでおり、ダイナミックレンジも広いため、風景から高速のアクションまでなんでも撮りたいならα7R III が指折りのカメラではないでしょうか。

老舗のカメラレビューサイトDPReviewにおいても2017年のプロダクトオブイヤーに選定されており、「プロとハイアマチュアの要求に応えるように設計された、スチルも動画も高機能な本当に素晴らしいカメラ」と評価されています。

良いところ
  • 4,240万画素、サイレント撮影も可能なAE/AF追従10コマ/秒の連写
  • 位相差399点とコントラスト425点の高密度のAFエリア
  • 1億7千万画素が記録できるピクセルシフトモード
  • JPEGの色再現の改善
  • 素人でも「ガチピン」できちゃく性能の瞳AF
  • 効果5.5段分の手ぶれ補正
  • 4K HDRとスローモーション1080p録画
  • 大容量バッテリーとUSB充電
  • ジョイスティックなど操作系も改善
 
微妙なところ
  • シャッターを切った瞬間の直前の写真を記録するプリキャプチャーの機能(OLYMPUSの「プロキャプチャー」モードなど)がない
  • SDカードスロットの1つのみUHS-IIに対応
  • カメラ内RAW現像がない
  • インターバルタイマーがない
  • 一眼レフに比べるとレンズ群がまだ少ない
  • 大きなレンズ使用時にはまだグリップが浅い(バッテリーグリップが推奨される)
  • 防塵防滴であるが、ライバル機と比べると完璧ではない

作例・サンプル画像

  • 公式
  • dpreview
  • フォトヨドバシ
  • KASYAPA
  • BigPhotoStyle

画像引用:SONY